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2019年4月8日

『より快適に山を楽しむ為に』製品インプレッション by 山田利行


カナナスキスカントリー

カナダ在住アルパインクライマー・山田利行より、2018-19の冬シーズンに活躍した製品のインプレッションが届きました。
『より快適に山を楽しむ為に』製品選びの参考にしてみてください。

 ドライナミックメッシュ >  
私が山へ行くときに必ず身に着けるミレーのドライナミックメッシュ。いつも私の活動を支えてくれる頼もしいやつである。私の活動拠点であるカナディアンロッキーは冬に‐10℃より暖かくなることは稀で、身体の冷えに関しては人一倍気を遣っている。どんなに寒くとも人間動いていれば汗をかき、止まると一気に濡れた衣服が肌に纏わりつく。考えるだけでも不快で寒い。そんな問題を解決してくれるのがこのドライナミックメッシュだ。汗を拡散し、メッシュの厚みが濡れたアンダーウェアと肌とを切り離しドライに保ってくれる。一枚持っているだけで、四季を問わずに活躍してくれる。特にこれからの春山では一日の寒暖差が激しく、最もその効果が体感できる時期である。肌身離さず着て、より安全で快適に山を楽しみたい。


Photo by 谷剛士

 プロライターサミット 28 > 
 パルス 16 > 
カナディアンロッキーにおける冬のクライミングではこの2つのパックが大活躍してくれた。日帰りのクライミングが多いカナディアンロッキーでは プロライター 28 が軽量かつ最適なサイズだった。日帰りと言えども冬はアイスアックス、クランポン、クライミングギア、ロープなどを担がなくてはいけない。自分で工夫を凝らしてパッキングすれば十分な収納キャパシティーがある。ロープを固定するためのヘッドベルトやストックやウォ―ターボトルを横付けできる便利なポケットがありながらもシンプルであるのも気に入っているポイントだ。アルパインクライマーとして嬉しいのはアックスホルダーがとても使いやすい所。細部まで使い手のことを考えた作りは流石ミレーだと感心させられる。

プロライターサミット 28 の中にはさらに パルス 16 を実際のクライミングの為に仕込んでおく。より軽量化が必要なハードルートに最適な選択だ。実際のクライミング中に最低限必要な防寒着、替えのグローブ、ヘッドランプ、ウォ―ターボトルなどを入れる。わずか450gの パルス 16 は背負っても空気のように軽く、腰に干渉せずとても快適なクライミングを提供してくれるのでお勧めだ。

どちらのパックも夏山となればもっと活躍の場は広がる。前者は1泊2日のテント山行も可能だし、山小屋泊なら長期登山にも十分だ。後者は爽快感溢れるトレイルランニングや日帰りのライト&ファスト登山を可能にしてくれる。

その日のアクティビティに合わせてうまく使い分け、より快適な登山を楽しんでいきたい。

Photo by 谷剛士

プロフィール:
カナダ在住アルパインクライマー 山田利行
大学時代に山岳部中心の生活を送り、授業そっちのけで1年のうち3分の1は登山とクライミングに明け暮れる。東海地方の大学山岳部を集めて日本山岳会東海支部の下部組織「東海学生山岳連盟」を再設立し、初代委員長を務める。
大学卒業後、北米の大自然に憧れ、山中心の生活を送るためカナダへ移住。今までの山の経験を生かして2015年にACMG(カナダ山岳協会)アシスタント・ハイキングガイドとしてガイド人生を歩み始める。2017年にはアプレンティスロックガイド資格を取得。ガイド業の傍ら、登るプロフェッショナルになるためにアプレンティスアルパインガイド試験に挑戦中。また、カナダを中心に自身のアルパインクライミングに対する挑戦を続けている。自身がオーガナイズするチームリンクアップのメンバーと共に、カナディアンロッキー・バカブー・ワディントン山群などでいくつかのハードルートの再登及び初登記録を持つ。

バックカントリースキーとプロライターサミット 28