PLAY! #私らしく山を楽しむ

PLAY No,13

#山に泊まる

MOUNTAIN CAMP

愛犬ボーダーコリーのどんちゃんと旅をしながら、
キャンプの楽しさを発信をする森風美さん。
普段のキャンプはクルマが中心。
だが道具を全部自分で背負って行く山キャンには、
思いがけない感動や独特の魅力があるんだろうなと、
憧れの気持ちを抱いていた。

  • キャンプ女子

    Fuumi Mori森風美

  • 山岳ガイド

    Tatsuro Sugimoto杉本龍郎

「山キャンに興味はあったんです。だけど山に行くんだったらそれなりの知識や装備が必要だろうし、どうしたらいいだろうって思ってました」
そうした迷いの先にあったのが、ガイドの杉本さんとの出会いだ。

相談すると杉本さんは、すぐに瑞牆山を候補に挙げた。
「あそこなら入門にはぴったりですよ。そんなに歩かずに登山口からテント場まで行けるし、山の楽しさも味わえます」
こうして森さんは1泊2日の山旅に必要なアイテムをバックパックに詰め込んで、瑞牆山へと向かった。

杉本さんからのアドバイスはただひとつ。
「寒いかもしれないんで防寒をしっかり。でも寒いからこそ楽しいことがいっぱいあります。あったかい食事や飲み物が美味しいですよ」
そう聞きながら、森さんは安心していた。山のことをよく知っている人が一緒だ。少しくらい寒くてもたくさん教えてもらって、たくさん学んで、自分のキャンプの世界をもっと広げよう、と。

ところが実際には、少しくらいではなかったのだ。初冬の瑞牆山は雪景色。こんな天気でキャンプができるのかと不安になるくらいだが、杉本さんは笑って答える。
「今日の僕らの装備があれば大丈夫。じゅうぶんに山を楽しめますよ」
さすがガイドさん。山をこなしてきた人ならではの余裕がにじみ出るようだ。

テント場では山キャンに必要な事柄をていねいに話す杉本さん。すべてにムダがなく、あらゆることに根拠がある。そうしたことのひとつひとつに感心している森さんの荷物を見て、今度は杉本さんが感心し始めたのだ。

森さんが取り出したのは、テーブルやテーブルクロス、そして色とりどりの食器。やがて夕食時には、きれいに盛り付けられる華やかな食卓が現れたのだ。

「普段からキャンプをするときにはかわいくするのが好きなんです。今回は山なので、なるべくコンパクトで軽くなるように、とは思ったんです。だけどせっかく好きなところに行って好きなことをするんだったら、もっと楽しくしたいなぁと思って持ってきちゃいました」

今まで飾り気のないアルミの食器でわしわしと食事を済ませていた杉本さんからすれば、それはカルチャーショック以外の何者でもなかった。けれど、そこに流れる豊かで充実した空気感は、雪景色の山キャンを何倍も楽しく、新鮮なものにしてくれた。

「山のキャンプのことは何でも教えますって言ってましたけど、今日は僕が教えられました。山キャンって、自分の時間を楽しむことなんですよね。森さんのキャンプスタイル、僕もちょっと取り入れようと思います」

Field

山梨県瑞牆山

  • WEAR

    行動中は汗をかかない程度の保温性を保つよう、重ね着で対応します。夜は寒くなるので、防寒性を重視したウェアも持参しています。

  • INNER

    普段の登山と同じでドライナミックメッシュを愛用しています。汗処理だけでなく、キャンプ時も空気の層を維持して保温効果があるので快適です。

  • BACKPACK

    いろいろ持っていけるので60Lくらいが好きなんですが、入れすぎると重くなるので、ビギナーの人は50Lくらいを選ぶのが良いと思います。

  • WEAR

    今回は登山なのでいつものキャンプとは少し違いました。雨や風や寒さに対応すること、多機能なもので荷物を少なくすることを考えました。

  • INNER

    汗をかく登山と、じっとしていて寒さを感じやすいキャンプの両方を楽しみたかったので、吸汗速乾機能のあるインナーが適していましたね。

  • BACKPACK

    大きいとついつい詰め込みすぎて重くなってしまいます。その意味で、登山キャンプに適したサイズがあるな、私の場合は50Lくらいだなと思いました。

QUESTION TO MR. SUGIMOTO

『山キャン』を
始めたきっかけ

「まだガイドになる前のことです。山小屋に泊まって頂上を踏む、っていうスタイルの登山をしてたんですけど、北アルプスですごく大きなバックパックを背負ってるテント泊の人が目にとまったんです。たぶんそれまでも荷物が大きい人は見てたんですが、意識してなかったんですよね。そのときに、自分の力で生活のすべてを背負って歩いてるんだなってことに気づいて、それがものすごく自由で魅力的に思えたのが最初ですね」

『山キャン』をしていて
最高だと思うこと

「山キャンはテント泊が基本になります。あの薄い布地で眠ってると、雨や風はもちろん暑さや寒さがダイレクトに伝わってきます。もう、自然との距離がものすごく近いんですよね。だからこそ夜中に外に出てみたら星がすごかったり、明け方に出入り口のファスナーを開けたら眼の前が全部雲海だったり、自然から与えてもらう喜びも、ものすごく濃いんです。そうした自然の素晴らしさを感じるたびに最高!って思ってます」

『山キャン』で
気をつけること

「細かいことまで言えばキリがないんですが、大きくは防寒と水の確保だと思います。まず防寒については、北アルプスの3000mエリアまで行くと夏でも気温は1桁。これは平地の冬と同じくらいです。そうした中でも快適に過ごすために、ちょっと厚め防寒着や寝袋を用意するのがいいと思います。あとは水場が近くにないようなら、大きめのウォーターコンテナが必要になります。キャンプ地の水事情を事前に調べておくことも大事ですね」

おすすめの山

「基本的には登山口からテント場までの距離が近い山がいいと思います。重い荷物を背負って歩く時間が短いし、テント場についてからの時間にも余裕ができるので、山でのキャンプをゆったり楽しんでもらえると思います。そういう意味では大菩薩嶺の上日川峠からアクセスする『福ちゃん荘』っていう山荘のテント場なんかはいいと思います」

これから
始める人へ

「難しく考えないで、まずはやってみてほしいと思うんです。準備したいものはたくさんあると思うんですが、雨が降らなそうで風が穏やかな日に低山で楽しむなら、テントと寝袋とマットがあればどうにかなります。食事は簡単なもの、着るものは普段山に入っている服装でじゅうぶんです。慣れないうちは緊張したり不便が気になったりするかもしれませんが、きっと自然の中ならではの自由さを感じる瞬間があると思いますよ」

QUESTION TO MS. MORI

『山キャン』を
やる前のイメージ

「私はキャンプというと自分のクルマで移動してキャンプ場でテントを張ることが多かったんです。山でのテント泊は、ふだん私がしてるようなキャンプでは巡り会えない絶景なんかがあるんだろうなと思って興味はありました。だけど登山の経験もあまりないし、荷物を全部背負っていくのも体力的に不安だし、自分にはハードルが高いなぁと思って尻込みしてました」

『山キャン』を
してみて思ったこと

「山キャンは荷物を自分で背負っていくので、普段のクルマのキャンプみたいに何でも持っていくわけにはいかないですよね。目的地に合わせて時間やルートを考えた装備と重量でいく、みたいな制限が出てくる。でも、その制限の中で、この山の頂上を目指そう、みたいな登山要素のメインイベントが加わってくるのが新鮮でした。しかも制限の中でゴールを目指して達成感を味わった、その最後にキャンプで楽しめる。すごくメリハリが効いていて、とても楽しかったです」

これから始める人へ

「たぶん私みたいに、山でテント泊してみたいけどハードル高そうって思ってる方もたくさんいらっしゃると思うんです。だけど山の場合はガイドさんがいらっしゃったり、親切に教えてくださる方々も多くいらっしゃいます。キャンプを始めたときと同じように自分でも調べながら、少しずつ低山からスタートすれば、最終的には絶景を眺めながらの山キャンプが叶うと思います。ぜひ、ちょっとずつ始めてみてほしいなと思います」

PICK UPITEMS

  • TYPHON 50000<br>WARM ST JKT

    TYPHON 50000
    WARM ST JKT

    ティフォン 50000 ウォーム ストレッチ ジャケット

    ¥38,500

    20,000mmの耐水圧と、50,000g/㎡/24hの透湿性を備えた、秋冬向きの1着。立体裁断とストレッチ素材のおかげで、激しい動きにもしなやかに対応。ハーネス干渉を避けるポケット位置など、ハードな使い方に応える。

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  • BREATHEBARRIER TOI JKT M

    BREATHEBARRIER
    TOI JKT M

    ブリーズバリヤー トイ ジャケット

    ¥36,850

    表地には、水を弾いて風を遮る「ブリーズバリヤー®」を採用。保温力を発揮する「スルー ウォーム®」の裏地を備えているが、別売りのALPHA LIGHT SWEAT Ⅱ JKTと組み合わせることで、さらなる保温力アップも可能。

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「TYPHON 50000 WARM ST JKT」従来のTYPHONに保温性が加わって、寒い環境下でも快適に行動することができました。着心地はしなやかで肌触りがよく、ストレッチが効いていて心地よい。安定のTYPHONクオリティでしたね。/「REATHEBARRIER TOI JKT M」ふわふわした優しい肌触りで、着てみるとその感触通りの暖かさでした。加えて汗のヌケも良いので、今回の「雪が舞う環境下での登山」という、保温性と透湿性が同時に求められるような状況では大きな威力を発揮してくれました。
  • BREATHEBARRIER WILDER LT JKT W

    LD TYPHON 50000
    WARM ST JKT

    ティフォン 50000 ウォーム ストレッチ ジャケット

    ¥38,500

    秋冬のアウトドアに対応するオールウェザージャケット。驚異的な50,000g/㎡/24hの透湿性を誇ると同時に、適度な保温性を備えた裏起毛を採用。さらに体の動きをさまたげないストレッチ素材によって、冬の快適性を確保する。

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  • DRYNAMIC THROUGH

    SAAS FEE LD
    50+15

    サースフェー 50+15

    ¥38,500

    女性の体型に合わせてデザインされた、女性専用モデル。本体容量は50Lながら、バックパック上部のトップスカートを伸ばすことで15Lまで拡張可能。食料など荷物の増減が大きなテント泊にも柔軟に対応する。

    ご購入ページへ

吸汗速乾のウェアとして、ベースレイヤーの上に着ています。暑いときにはフルジップを大きく開けて、寒いときにはフードを被って、と一着で幅広く使える点が気に入っています。/長袖なので、冬場でも温かい。そうやって保温性があるのに走っていてもムレたりしないし、ジャケット脱いで風に当たればスッと熱気が逃げていく。体温調整のしやすさですごく重宝してます。

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