PLAY! #私らしく山を楽しむ

PLAY No,09

#山に泊まる

MOUNTAIN CAMP

頂上をめざすための手段ではなく、
山そのものを感じるために。
衣食住のすべてを背負って
自然のなかに踏み入り、
自由な時間を過ごす。
そんな「山キャンプ」のコツを
アンバサダーの杉本龍郎さんにうかがった。

登山ガイド

Tatsuro Sugimoto杉本龍郎

山キャンプを
始めたきっかけ

「僕にとって山でのテント泊は必要だからするもの、登頂をめざす過程で体を休める手段のひとつだったんです。だけどガイドとしてテント泊のあるルートにお客さんをご案内してるときに驚いたんですけど、みなさん山で泊まることをイベントとして楽しんでるんです。日常とは違う時間の使い方や風景に心を踊らせる様子を見て、僕も忘れていたものを思い出したような気がしました。以来、登頂のためとは別に、山にいる時間を楽しむためのテント泊を『山キャンプ』として楽しむようになりました。」

山キャンプの服装

「もちろん季節だけでなく地域、行く先の標高や天気に合わせることが大事だと思います。けれど山キャンプということになると、やはりいちばんは寒さ対策じゃないでしょうか。山は冷えますし、夜ともなればなおさらです。寒いとリラックスできませんし、せっかくだから星も見たいし、山頂で朝焼けも見たい。そうなると着るものは、思っているよりもワンランク温かめにしておくくらいでちょうどいいと思います。」

  • WEAR

    明け方、昼間、そして夜のキャンプサイトと気温差が大きくなります。ササッと羽織ることのできる薄手のシェルジャケットがあると便利です。

  • INNER

    いつもよりも荷物が多い分、体に負担がかかります。汗をかきやすくなることを想定して、インナーは速乾性のものが必須です。

  • RAINWEAR

    天気予報を確認して出かけるので、大雨にはあたりにくいと思います。とはいえ、レインウェアは必需品です。少しでも荷物を減らしたいので、シェルジャケットとしても使えるレインウェアがおすすめです。

Field Spec

尾白川渓谷(山梨県北杜市)
標高:770m
天気:曇り➡小雨
気温:約15℃

山キャンプをしていて
最高だと思うこと

「たとえば寝る前にふと空を見上げたらものすごい数の星だったり、明け方に何気なくテントのファスナーを開けたら壮大な朝焼けだったり。その時間、そこにいなかったら絶対に見れなかったな、っていう景色に巡り合うことがあるんです。それは山のなかで長い時間を過ごすことで、自然とダイレクトに向き合うからだと思うんです。テントっていう薄い布1枚に守られてはいますが、限りなく生身に近い状態で自然のなかにいる。そこで自然との近さを感じたとき、来てよかったな〜って思います。」

ハプニングエピソードは
ありますか?

「それはもう、数限りなくあります。1番ビックリしたのは富士山の五合目でテントを張ってたときなんですけど、登頂して戻ってきたらテントがないんです。風が強い場所なので丈夫なペグをこれでもかっていうくらい使ってテントを固定していたんです。だからペグは残ってたんですが、テントの生地が破れて飛ばされちゃったんです。幸いテントは近くの構造物に引っかかっていたので回収できて、ゴミにせずにすみました。テントが破れてしまったのはショックでしたけど、気をつけていても自然の力は予想を上回るなぁと思って感心しました。」

気をつけなければ
いけないこと

「まず、テントの入り口は風下に向けることですね。入り口を風上に向けると出入り口を開けたときにテントが風をはらんでしまったり、風で入り口が開かなくなることもあります。天気予報で風向きを知る、テント場の周囲の木や鳥の飛び方を見て風向きを予測するといったことの他に、山の風は頂上から麓に向かって吹くことが多いんです。そうしたことも踏まえながら、テントの向きを整えておきたいですね。それから、山キャンプでは夕食が大きな楽しみになると思います。暗くなると動きが取れなくなるので、調理・片付けまで済ませておくといいですね。」

おすすめの山

「山キャンプはすべての道具を背負っていくことになります。しかも慣れないテント泊にチャレンジするわけですから、テント場まで何時間も歩く、というプランはおすすめできません。午後の早い時間にはテントを張ってゆっくりしながら、暗くなる前に寝る準備や食事の準備をしておく。そんなタイムスケジュールをイメージできる、アプローチの短いテント場がいいと思います。おすすめは大弛峠の大弛小屋テント場ですね。駐車場から歩いてすぐなので、キャンプに気持ちを傾けることができます。そうして翌朝早朝、身軽な装備で金峰山までピストン、という楽しみ方がいいと思います。」

これから始める人へ

「重くなるからといって、短絡的に荷物を減らすのは感心できません。装備は山での安全を確保するものです。とくに防寒具が足りないと、せっかくのキャンプを楽しめなかったりします。装備は個人個人で違いますから他の人のことは気にせず、まずは自分があったらいいな、と少しでも思ったものは持って行ってください。そして経験を積んだり体力がついてきたら、自分のスタイルに基づいて減らしていけばいいと思います。大丈夫でしょ〜、といった希望的観測で荷物を削って必要以上の軽さをめざすと、安全性や楽しさも減ってしまうような気がしています。」

PICK UPITEMS

  • TYPHON 50000 ST JKT

    驚異的な透湿性と優れた耐水性を併せ持ちながら、高いストレッチ性でストレスフリーの着心地を実現した万能ライトシェル。

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  • ANTI INSECT CREW LS

    虫が止まっても、刺す前に飛び去ってしまう。特殊なコーティングでキャンプの快適さをアップグレードする、注目の虫よけウェア。

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    CREW LS

    アンチインセクトクルー

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汗ムレしにくい上に着心地が軽いので、いつでも気軽に羽織れます。しかも雨具並みの防水性。晴れも雨もこれ一着でこなせるので、荷物が増えがちなキャンプにはぴったりです。夏場のキャンプは虫に悩まされますが、これを着ていればかなり解消されるんじゃないかと期待しています。ぜひとも虫がいっぱいいるところで試してみたいですね。

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