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2019年7月4日

ロッキーにも夏の日差しが…ティフォンで挑んだ氷河登山 by 山田利行


アプローチをこなして氷河が眼前に迫る

ようやくロッキーにも夏の日差しがやってきた…
山の雪も落ち着き、朝5時から夜10時まで明るいこの季節は、ロッキーでの登山にもバリエーションが出てきて最も快適で楽しい時期。
岩と雪のコンディションと天候を見極めながら、ロッククライミング?氷河でアイスクライミング?はたまたスパッと切れ落ちた稜線を歩くか?とその日の目的を決める。
ロッククライミングガイドの仕事も始まり、ようやく気持ちもガイドモードにシフトしてきた。週末の休みには上級資格である「アルパインガイド」に向けたトレーニングに全力を傾ける。
昨年から使用しているティフォン50000に加え、私の中で今季一番の注目アイテムであったダイニーマ素材の超軽量のトリロジー30にギアを詰め込み氷河へと向かった。


頂上まで後少し

 ティフォン 50000 > 
今回初めて氷河登山で使ってみた。理由は冬のハードシェルよりも軽量着心地が気に入っているからだ。
氷河でのアイスクライミングも問題なくこなし、氷河歩行、そして頂上へと続く岩稜帯においてもまったく違和感なく、行動し続けることができた。日が高くなり、雪が緩んでくるとティフォンの耐水性が威力を発揮し、氷河の照り返しで汗をかいても抜群の透湿性が身体をしっかりとドライに保ってくれる。
ハイキングから氷河登山まで今年の夏もティフォンを着てドライで快適にロッキーの山々を駆け巡ろうと思っている。

 トリロジー30 > 
ダイニーマ素材が可能にした大胆な軽量化には驚いた。
「ライト&ファスト」の思考は登山に「快適さ」と「安全」を与えると信じているが、その代名詞のようなパックが「トリロジー30」だと思った。
わずか630gのパックには背面パットも備わっていて、氷河登山に必要なギアを全て詰め込んでも、快適に背負い続けることができた。前面のポケットは大きく、ガイドに必要な無線機やガイドノートなども問題なくすっぽりと入ってしまう。更にサイドポケットから本体にアクセスすることもでき、うっかりと奥に入れてしまった物も簡単に取り出せると至れり尽くせり。
高機能でありながら、超軽量。長時間行動が必要となるカナディアンロッキーの氷河登山をより楽しい思い出にしてくれるパックだ。


悠久の想いを馳せながら氷河でのアイスクライミング

山田利行
カナダ在住アルパインクライマー
大学時代に山岳部中心の生活を送り、授業そっちのけで1年のうち3分の1は登山とクライミングに明け暮れる。東海地方の大学山岳部を集めて日本山岳会東海支部の下部組織「東海学生山岳連盟」を再設立し、初代委員長を務める。
大学卒業後、北米の大自然に憧れ、山中心の生活を送るためカナダへ移住。今までの山の経験を生かして2015年にACMG(カナダ山岳協会)アシスタント・ハイキングガイドとしてガイド人生を歩み始める。2017年にはアプレンティスロックガイド資格を取得。ガイド業の傍ら、登るプロフェッショナルになるためにアプレンティスアルパインガイド試験に挑戦中。また、カナダを中心に自身のアルパインクライミングに対する挑戦を続けている。自身がオーガナイズするチームリンクアップのメンバーと共に、カナディアンロッキー・バカブー・ワディントン山群などでいくつかのハードルートの再登及び初登記録を持つ。
LinkUp Blog http://8linkup.blogspot.com/


ザ・カナディアンロッキー