剱岳は特別な山だ。登頂が難しいというだけではなく、古代に通じる歴史ロマンがあるからだ。
1907(明治40)年、難攻不落とされたその頂に立った測量官らは、山頂で平安時代の錫杖頭(仏具)を見つけた。一体、誰が、何のために、そしてどのルートから登ったのかーー。
わたしは謎を解きたいと願い、剱岳行きを繰り返してきた。そして今年、早月川ルートに古い人間の足跡があるとみたわたしは川を遡上し、山頂をめざす探検の計画に乗り出した。
悩ましいのが異なる2つの環境。川の渡渉という濡れやすい場所と、降雪も予想される標高2600m以上の高所。幸い、秋冬でもティフォンには2つのラインアップが揃っている。濡れに強いストレッチジャケットと保温を強化したウォームの各シリーズだ。わたしは川の渡渉にティフォン50000のストレッチジャケットとイージーパンツを、山頂へのアタックにティフォン50000ウォームのストレッチジャケットとストレッチトレックパンツを着用した。
それらを駆使することによって、川の渡渉から藪漕ぎ、岩場の登攀まで、剱岳の麓から山頂までを快適に歩き通すことができた。ただしピンチに陥る局面もあった。藪漕ぎの途中、氷雨に打たれて立ち往生した。冷たい強風に煽られるまま濡れたままのジャケットを着ていたら体温がどんどん奪われていった。そこでトイリバーシブルフーディーをジャケットの下に着込んだ。瞬く間に体温が上昇し、命拾いする思いがした。ティフォンとトイは組み合わせてこそ、最大級のパフォーマンス性を発揮する。
今回の山行にはNHKのカメラが同行することになり、その一部始終を映し出すドキュメンタリー特番ができた。厳しくも美しい自然は古代も現代も変わらない。そんな剱岳の魅力を味わいながら、今回わたしが剱岳山頂で発見したものにも注目していただきたい。
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トイリバーシブルフーディー詳細ページ >
番組詳細:
2018年11月16日(金)よる7時56分から
NHK総合 中部7県で先行放送
中部ネイチャーシリーズ
剱岳の謎に挑む ~1000年前の登山ルートを探れ~
2018年11月30日(金)よる8時から
NHK BS1 で全国放送
躍動する大自然 奇跡の絶景ストーリー
剱岳の謎に挑む ~1000年前の登山ルートを探れ~
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プロフィール:
探検家 髙橋大輔
1966年秋田市生まれ。「物語を旅する」をテーマに世界各地に伝わる神話、伝説の背景を探るべく旅を重ねる。2005年ナショナル ジオグラフィック協会(米国)から支援を受け、実在したロビンソン・クルーソーの住居跡を発見。現在は山頂に残された錫杖頭の謎を追い剱岳に通う。
著書『ロビンソン・クルーソーを探して』(新潮社)『浦島太郎はどこへ行ったのか』(新潮社)『間宮林蔵・探検家一代』(中央公論新社)『ロビンソンの足あと』(日経ナショナルジオグラフィック社)『12月25日の怪物』(草思社)『命を救った道具たち』(アスペクト)『漂流の島』(草思社)などがある。
探検家クラブ(米国)、王立地理学協会(英国)フェロー会員。
公式ブログ http://dt.exblog.jp/
公式Facebookページ https://www.facebook.com/tankenka