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2020年10月30日

雪の中での嬉しい出会い by KUSACO

こんにちは。KUSACOです。

先日、天塩山地の前天塩岳(1.540m)に登ってきました。
私の予想は大きく外れ、登山口までの林道で既に雪が・・・
今回は、雪の中で思いがけず出会った植物達の姿をご紹介します。


登山口を出発すると、しばらくは川沿いを歩くなだらかな道が続きます。
積雪も、まだこのくらい。草本植物たちも、まだ十分観察できる様子。
ここは一体どんな植生なのか?葉をじっくり見ながら、この時期に来たらきっとこんな感じかな~と想像しながら歩くのが、KUSACO流の楽しみ方です。

ショウジョウバカマが、すでに花芽をつけていました。

雪解け直後に真っ先に咲く、シュロソウ科の植物です。
左の個体は、エゾシカに葉を食べられていますね。
ショウジョウバカマの葉は一年中艶やかで鮮やかな緑色のため、登山道を歩いていると結構目立っている気がします。他の山でも、採食されているのをよく見かけます。
来年の春、元気に咲いてくれよ~
エゾシカよ、全部食べないでおくれよ~と、念を送って後を去りました。

他にも、越冬の準備をしている植物を発見。

オクエゾサイイシンが、越冬芽をつけていました。
ウマノスズクサ科の植物で、茎の根元にコロンとした不思議な形の花をつけます。
葉の下に隠れているので、葉をめくらないと花にはご対面できません。
私の大好きな植物のひとつなので、ぜひまた春先に開花の姿をご紹介したいです。

大木の根元だけ、ぽっかりと穴が開いていたので覗き込んでみると・・・

ツルシキミの真っ赤な果実がひとつ、残っていました。
なんだか、お宝を発掘した気分♪
雪の中の植物観察は初めてでしたが、楽しいものですね。

天候にも恵まれました。

標高が上がるにつれ積雪も増え、一番深いところは私の膝ぐらいまで積もっていました。行動中はかなり汗をかきましたが、アンダーはドライナミックメッシュを着用していたので快適に過ごせました。熱がこもらず、汗冷えしない。

やっとの思いで、森林限界を突破。
一気に視界が開けると同時に、冷たい風が吹きつけます。
ガレ場に突入すると、コケモモやガンコウランなど、高山植物のレギュラーメンバーが顔を出し始めました。

雪と絡めながらの初めての撮影に、しばらく夢中になっていました。
ふと顔を上げると。前天塩岳山頂の標識を発見。
植物達に励まされながら、初めての雪山、無事に登頂成功!

ガンコウランの果実。奥に前天塩岳山頂の標識が見える。


コケモモの冬芽

そしてこの日一番の嬉しい出会い。


コメバツガザクラ

コメバツガザクラが1輪だけ、まだ花をつけていました。
花期はとっくに過ぎているのですが・・・狂い咲きでしょうか?
さすがに萎れてきているため、花弁は少し黄色くなっていました。
ピンク色の筋がアクセントになっていて、とっても愛らしい。
可愛い花とは対照的に、葉はなんとも渋い色に染まっていました。
冬山ならではの表情に、終始感動。

コメバツガザクラとはなにかと縁があるのか・・・
先月も、別の山で強風に煽られて逃げ込んだ岩陰に、コメバツガザクラが1輪だけ咲いていて元気をもらったのを思い出しました。
ありがとう!大好きなコメバちゃん!!

今日も、上にティフォンを着用して挑みました。
生地がしっかりしているので、冬の冷たい風もなんのそのでした。

植物を撮影するときは、地面に肘・膝をつけることが多いです。
膝に当て布が施されているのも、ありがたいな~と、今回改めて感じました。
私の活動には、やっぱりティフォンが欠かせません。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

ブログで紹介しきれなかった植物は、KUSACOのインスタグラムに掲載しています。
@hananan116
植物に興味がある方は、ぜひ見てみてください。

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