MY TRILOGY





限界を超えた挑戦のその先に、
憧れの頂きを見据えて。


フリークライマー
 
大田理裟


どんな困難にも負けず、まだ見ぬ風景やはるかな高みを目指して、ただひたすらに歩を進める。ヴァーティカルな岩壁からスティープな雪山、そしてワンデイでアクセスできるハイキング・フィールドまで、ミレーの“トリロジー”シリーズがサポートする彼女たちのフィールドは、“ネイチャー”をキーワードにどこまでも広がっている。大自然がもたらす四季の営みとアウトドア・フィールドを巡る、アクティブな女性たちのストーリー。

2015年世界ランキング8位。世界を舞台に戦うフリークライマー、大田理裟さんは今年3月に開催された日本選手権では2位、8月のアジア選手権で4位入賞を果たすなど、4年後の東京オリンピックでの活躍も期待されるアスリートだ。
 そんな大田さんをここまで指導してくれたのは父親だという。故郷・山口県の高校の山岳部で顧問を務め、山口県の国体の山岳(クライミング)競技の監督として選手を率いるなど、父親は大田さんの指導者にして大先輩。クライミングを始めたのもその父の影響だった。
「子どもの時から高いところやアスレチックジムが大好きでした。高いところに登ると気持ちがよくて、恐怖心なんて感じたこともなかった」
 父に連れられて初めてクライミングジムに出かけたのが中学2年の時。それまで「何をやっても長続きしなかった」という大田さんだが、たった一度の経験でクライミングにハマってしまう。その次の月には県が主催する大会に出場していたというほどに。
「中学、高校と、父から徹底的に基礎を叩き込まれ、全国大会まで指導してもらいました。家での親子の会話もクライミングの話ばかり。自宅には父が作ってくれた専用の練習場もあるんですよ」

自宅に備えられた練習場にて。指先で重力と戦うクライマーにとって、自身の体の重さがいちばんの敵だとか。

岐阜県の恵那は知られざる岩場の宝庫。ここではボルダリングを楽しんだ。

それまでも生活のほとんどを占めていたクライミングだったが、プロという選択肢が見えてきたのは大学3年生の時に出場したワールドカップがきっかけだった。大学生になってからは世界で戦うことを見据え、コーチの指導のもと、トレーニングに励んできた太田さんだったが、ファイナルの壁にどうしても届かなかった。それを、ついに打ち破ることができたのだ。
「初めて憧れの舞台に立ってみたら、もっと競技だけに集中したいと思ったんです。プロになって『楽しい』という感情だけではやっていられない領域に来てしまったけれど、人生を賭けて取り組むものがあるというのは幸せですね」

見上げるような高さの岩壁!高知県で「残心(5.14a)」に挑戦した。四国で最難と呼ばれる課題を、あっさりとコンプリート。

ジムで、外岩で、クライミング三昧の毎日を送る大田さん。プロフリークライマーの毎日は、「朝起きて、登って、食べて、筋トレして、寝るだけ」という地味なもの。指先だけで重力と戦う場面も多く、体重管理も徹底して行っている。そんな日々の中でのモチベーションは、子供の頃と変わらず「誰よりも高いところまで登りたい」という一心だ。どうしても攻略できなかったルートも、辛抱強く取り組むことで登れるようになったり、諦めていた課題に半年後に挑戦してみたら、意外にすんなり登れたり。日々、限界を超えて挑戦すること、自分の無限の可能性を感じられること。そんなところがクライミングの魅力なのかもしれない。

試合と試合の合間に帰国した際は、四国の岩場にも出かける。先日は岡山、そして高知でさまざまなルートの攻略に挑んだ。目指したのはグレード5.14という超難関ルート。コンペだけではなく、大田さんは国内の岩場での活動を積極的に行っている。
「女性はまだ誰も登れていないルートや未登のルートなど、登っても登っても次から次に難しいルートが出てきますから、飽きることがないんです。何年かかけて国内に点在する5.14a以上のルートに挑戦できたらいいですね」

熊本県万江川の岩場にて。

そんな岩場でのクライミングやワールドカップを転戦する際など、国内外のトリップに必ず携行しているのが、ミレーの「トリロジー シンセシス ダウン ジャケット」。タイトなシルエットながら動きやすく、アプローチの着用にぴったり。荷物の中ではコンパクトにまとめられる上、軽量であることから、旅には欠かせないパートナーなのだとか。
「とりあえず入れておこうという感じで、いつも荷物の中に入っている一着です。“トリロジー”以外では定番のダッフルバッグもお気に入り。たっぷり入って、おまけに開口部が大きいので中身を取り出しやすく、整理もしやすい。岩場で活躍しますね」

高知に出かけた際の、大田さんの装備の一部。

今年の目標は、「最も表彰台に近い」というリードクライミングで世界の頂点を目指すこと。諦めず、辛抱強く取り組んだ先には、夢にまで見た「世界」という頂きが待っている。

フリークライマー

大田理裟


1993年、山口県生まれ。中学2年でクライミングを始め、実父の指導のもと数々の大会で実績を残す。2009年〜2012年「JOCジュニアオリンピックカップ」優勝、2014年「リード・ジャパンカップ」優勝など優勝、入賞多数。2013年IFSCクライミングワールドカップ」8位入賞をきっかけにプロの道へ。2015年の世界ランク8位。「IFSCワールドカップ」を中心に、世界のコンペを転戦する日々。