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January.10    

ヒマラヤキャンプ by 飯田祐一郎(後編)

前編つづき)

19日

とうとう迎えたアタック。昨日のデポ装備を回収しザイルを伸ばしていく。期待通り昨日のルートよりは安定しているもののやはり雪質が悪い。スノーバーが中途半端な刺さり具合なので支点へのテンションに神経を使い、アイゼンとアックスから伝わる感覚に集中しながら距離を稼いでいく。

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最終ピッチを登攀中の鹿山。

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最高傾斜60度、400m近い高度差の雪面を登りきると安定した肩にでた。全員が肩に到着するのを待ち、そこからは一本のロープで結びなおし全員で最後の緩やかな斜面を登っていく。時間にして30分ほど歩いた頃、目の前にピークらしい三角形がみえてきた。

現地時間の13時20分頃、メンバー全員登頂という目標を僕達は達成した。

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目的が果たされると時間はどんどんと進んでいきます。

登頂を果たし、バックキャラバンを無事に終えた隊は解散していき、そんな中で僕は一週間近くカトマンズにて一人過ごしていました。この間、一人になると今度はゆっくりと時間が流れるのか、遠征を振り返る時間がたくさんあり、「僕はアシスタントとして何をしたか。副隊長として隊に何が出来たか。描いていた今後のテーマを得る事が出来たのか・・・」そんな事を太陽のリズムと同じように生活しながら自問自答する日々を送っていました。

冒頭にもある様に、この先のテーマを考え何か得たいと参加した今遠征。やっぱり現実はそう甘くないですね。ここには書ききれないドラマが現場にはあり、満足した者、悔しさに泣いた者、既に次を見ている者、色々です。僕自身、悔しさに泣いた者の一人です。

東京の家に帰り、いつもの椅子に座りながらキーボードを叩いている今、その自問自答は終わらないです。今回の遠征は一定の成果は得られたものの、僕はもっと大きなものを掴まなくてはいけなかった様な・・・もしかしたらそれは転がっているチャンスに気付かなかっただけかもしれないし、もっと自分から欲するべきだったのかもしれない・・・いや、間違いなく気付けていなかったし、欲する力が弱かったと感じています。

そんな中でも頂上までカメラを担ぎシャッターを押し続けた事・・・

アタックではルートを作り少しでも隊に貢献できた事・・・

最高高度を更新できた事・・・

月並みな表現ですがこれらは今後に繋がる大きな収穫だったと思っているし、そう思いたいです。

僕は、人生の中で自分が選択した事や寄り道って最後にはうまく繋がると思っていて、それは今回の遠征が寄り道って言いたい訳でなく、苦い思いした今遠征もなんとなくうまく吸収して、次に繋がる糧になっていく・・・登山に飛び級はないですね、成長ってこんな風にしていくんじゃないかな。

とりあえず来年の夏は「南米で力試しっ!!」なんてぼんやりと考えています。

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